2012年11月15日木曜日

森光子さんは、日本を代表する女優さんでした



  森光子さんと言えば、私たち世代にとって、最もなじみの深い女優さんの一人でした。

  みんなのお母さんといったイメージの強い、日本の母の謙虚さと芯の強さと、ユーモアをも兼ね備えた、人としても尊敬出来る、大変存在感のある方でした。

  下記は、放浪記の舞台千秋楽、2017回終焉後の特別カーテンコールでの言葉を、当時の動画から私が起こしたものです。

     今日でこの役を、この役からさよならするとは、思っておりません、まだ。
    思えません。
 今日はもう夢みたいな、本当に、あの、現実ではないようにまだ思えます。
こんな幸せな思いをさせていただいて、本当にうれしいと思います。
      これは、毎回同じ芝居も、何度もご覧くださっているお客様皆様が、
    ご一緒に作ってくださった芝居だと思います。
  日本が素敵な国であることは、みなさん御存じでしょうけれど、
これからもみんなでいい国を支えていけるような人になりたいと思っております。
 私も、これからも、もちろん、引退なんか致しません。
  ぜひ私たちもそして若い方も一緒になって、いい国に作っていきたいと思っております。
  なんか偉そうに…言っておりますけれども、決して選挙に出るつもりはございません。
  本当に、本日はありがとう存じました。
       (この一時間前に、国民栄誉賞が正式に授与されることが決まりました)

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  森光子さん死去と同日同面。新聞の一面に、「衆院あす解散」との見出しが掲載されました。

  私も皆さんも、この国を一緒になって支えている一人です。
 
  私は私らしく、皆さんは皆さんらしく、この国に生まれた誇りを持って生きていきたい。


夢千代

2012年11月1日木曜日

母なる想い


昨日、ある方のお母様から電話がありました。

一年半前に辞めてしまった以前の、私の占いのお客様でね、本当に久しぶりのお電話で、一瞬ためらったのですが、受話ボタンを押して「こんにちは」と言いました。

 ある方とは、奥様とお子さんを残して失踪されてしまった方のことでね、ご本人もお母様も、何度か鑑定させていただいたのですが、ある日突然失踪されてしまたのです。


 仕事場で何かあったのか、「先生、私はうつ病になってしまいました」とのメールをいただいたことがありました。
 ところがうつ病だけではなかった。失踪してからも、二度ほどメールをいただいたので、とても言葉に気を付けながら、「ご家族に連絡して差し上げてください」とご返信したのですが、その言葉をまともに受け取っていただくことが出来ず、また音信不通になってしまいました。


 失踪してから、もう三年にもなるでしょうか?

 ご本人は、私よりも10歳も年長の方ですから、お母様といえばかなりのお年になります。

 そのお母様が、私にあった電話の内容というのはこうでした。

「あの、私は最近、息子に何度連絡をしてもつながらないので、もう番号を変えてしまったと思っていたんですけど、メールを送ったら『あちらに届きました』というメッセージが出るんですよ。それでこちらからは届いているかと思って、毎日メールを送っているんですけど、これって息子に届いているんでしょうか?」


 私は、このお母様が不憫でなりませんでした。

 もちろん、失踪されたご本人にも、出てこれない事情というものがおありでしょう。

 ただ、私は、一人の人間として、このお母様の息子さんを想う一途な気持ちを、黙って見ていられませんでした。
 以前のアドレスを引っ張り出して、ご本人にメールをしてみたんですけれど、デーモンメールで戻ってきてしまう。それをまたお母様に電話してお伝えすると、「Eメールじゃなく、番号で送れるやつです」っておっしゃるから、「わかりました」って、またショートメールをご本人に送りました。

 本当は、ショートメールって好きじゃないんです。要件のみならず、意思を伝えるには、たった数十文字は短すぎますから。それでも、三通に振り分けて、送ってみました。もしかしたら、通じないかもしれない。もしかしたら、他の方の番号でご迷惑になってしまったかも知れない。でも、お母様のたんたんとした無心に息子さんのことを思う気持ちに、人として動かずにはいられなかったのです。


夢千代
                                 画像提供:写真素材館