2012年8月2日木曜日

お地蔵様の笑顔


先日、バスに乗った時、小銭の持ち合わせがなくて、なんと一万円札しか財布に入っていなかったことがありました。

いつもはそんなことはなく、きちんと小銭を用意してから、バスに乗るようにしているんですが、この日はたまたま、妻と目の前に来たバスに飛び乗ったあとに、そのことに気がついたんですね。

「どうしようか」
「仕方ないよ。降りる時に運転手さんに言ってみようよ」

僕達が座った席は、運転手さんの真後ろの席でしたから、そのことは間違いなく、運転手さんにも聞こえていたはずなんですね。でも、運転中に声をかけるようなことは、迷惑だと思って、とにかく話をそこで打ち切ろうとしたんです。

とんとん、と僕の肩を叩く人がいました。

(ん?)

と思ってその手を差し出した人の反対側の手から、すっと100円玉が指し出されたんです。

「これ使ってください」

通路を挟んで反対側のいちばん前に座席に座っていた50歳くらいの男性が、そう言って僕に100円を渡したてくれたんです。

「え、でも…」

「いいんですよ。使ってください」

「ありがとうございました。私○○に住んでいる夢千代と申します。どこかでお会いしたら、その時にお返ししますから」

何もおっしゃらずに、静かに微笑みながら、そのままバスに乗って行ってしまわれました。

当のバスの運転手さんはと言うと、

降りる時に、
「細かいのを用意してください」って…。

ちょっとがっかりしましたね(+o+)
どうして、

「いい方がいて、良かったですね」

と言えないんでしょう?
職務をまっとうすることだけが、仕事と言えるのでしょうか?

それに比べて、100円の紳士は、まるでお地蔵様のような方でした☆


…そこで思い出したんですね。



その日の前、実家に行った時に、母が模様替えをしていました。

神棚の下に置いてあった、僕のお地蔵様がよそへ置かれて寂しそうな顔をしていたんです。


このお地蔵様は、僕が小学校の時に鎌倉のお土産やさんで買ってきた、石造りのお土産ものです。
不思議昔から、このお地蔵さんに願いを掛けると、ちゃんとそれが叶っていました。
そして、お地蔵様の隣りには、同じ頃に買った長谷の大仏さんの小さな姿の像が、いつも置かれていました。
僕は、この二体を紫微垣に持って来て、そのままお祀りしたばかりでした。

子供の頃からずっと、僕を見守ってくれていたお地蔵様。。

なんとなく、実家にあるいつもの場所に置いてあるのを見て、安心していた自分がいたんですけれど、やっぱりこれからもずっとそばにいて、見ていただいていたほうが良いですよね。


これからもよろしくお願いします(^。^)


夢千代
                                                  お地蔵様画像