2016年6月21日火曜日

原点との出会い



先日、6/15(木)~19(日)にかけて、群馬県倉渕にあります、はまゆう山荘に行ってきました。
目的は、私の奥さんである宮川久美さんのコンサート。私も朗読で一部出演しました。

倉渕という所は、そうですねぇ…スタジオジブリの「トトロ」に出て来る森のような場所です。
手のひらいっぱいに、あれもこれも…と遊び場所を求める方には、あまり向いていない場所かも知れません。 その代わり、普段、街の中に住んでいる人たちの中で、「癒し」とか、「気付き」とか、「本当に必要なもの」とか、 私のところへそんなものを一度でも求めにいらした方にとっては、宝の山かも知れませんね(^o^)

さて、最近の私は、人の裏、世界の裏を見過ぎたために、心がダークになっておりました。
どんな人生も、どんな知識や体験も、尊いことに変わりはありませんが、それでもいちばんつらく感じるのは、本人と その家族なんですね。
僕はもともと、好奇心のめっぽう強いほうでして…ひとつの世界を徹底的に探究してしまうクセがあります。 ところが、その研究にしても、ただ知識として持っているだけではどうしようもないことがあります。 私の父は、私以上にやはり本を読む人でして、ある年齢になった時「あまり小説を読まなくなった」と言っていました 。その理由を尋ねたら、「空想のなかに使う時間がもったいなくなった」のだそうです。 ところが私は逆でした。 現実を知れば知るほど、救いが無くなるのです。 仏教や神道も、(あくまで抽象論なので誤解が無いように願いますが…)もう学ぶことが無くなってしまったのですね 。真実を知れば知るほど穢れてしまうというジレンマに、私は、とにかくそれが空想でもいい…人の正気と向き合いた い。もう一度人というものを信じてみたい。。
そのような気持ちにやっとなれてきました。 はまゆう山荘では、私にはかなりの時間、一人でいられることが出来そうでしたので、あることを思い立って出発をし ました。

それは、はまゆう山荘に着いたら、少年少女の読むような世界の名作を、ゆっくりと読んでみたいということでした。 はまゆう山荘の談話室には、少年少女向けの本が何冊か並んでいます。 そのラインナップは、現代の小中学生がというよりも、私たちが小さい頃、読んでいたものが多く、子供用の本といっ ても、私は全く抵抗がありません。却って、たくさんの本が読めることになっていいでしょ。 私が読みたかったのは、モンテ・クリフト伯(日本では「岩窟王」と訳されています)でしたが、置かれていなかった のですね。

他のものを読もうかとも思いましたが、気が進まず、どうしようかと思っていた時に、ふと目にした本がありました。
漫画だったのですが、それはドラえもんの映画の原作でした。

ドラえもんの映画第一作は、「のび太の恐竜」で、1980年公開だったそうですが、私はこれを映画館に観に行っていま す。映画ドラえもん の び太の恐竜【映画ドラえもん30周年記念・期間限定生産商品】 [DVD] なんどかブログにも書きましたが、私は1970年生まれで、現在のドラえもんが始まったのが1979年ですから、私が小学 校4年生の時。 のび太君の年齢の設定が、小学校4年生ですから、僕はずうっとのび太君と同級生だと信じて生きてきたんですよ。 僕たちが小学生の頃は、みんなドラえもんをあたりまえのように、特に大晦日やお正月のドラえもんは、もう欠かさず 楽しみに見ていましたが、中学生になると、「中学にもなってドラえもんなんて見ないよね」という友達のお母さんも 現れたりして、放送は変わらずあったものの、自然と見なくなってしまいましたね。 ドラえもんの映画の第一作 のび太の恐竜から、のび太の宇宙開拓史・のび太の大魔境・のび太の海底鬼岩城・のび太 の魔界大冒険・のび太の宇宙小戦争くらいまではタイトルだけでも記憶があるんですけれど、それ以降は、まったくな じみがありません。 子供の頃、あれだけ好きだったドラえもんの映画をわずか数作しか知らないのは、なんだか損した気持ちでいたことも あって、世界の名作を読むつもりが、ドラえもんを読み始めてしまったんです(笑)

それはまさしく、私の原点でした。 私はジュール・ベルヌ(海底二万里・八十日間世界一周・神秘の島 etc)が大好きですが、考えてみれば、どらえもん を見ていたからこそジュール・ベルヌにすっと入っていけたのですね。
当の作者の藤子不二雄先生など、逆にジュール ・ベルヌなどから発想のヒントを得ているはずですが、僕はその逆をたどっていっている。面白いものですね。

アニメブームという時代が、僕の子供の頃にもありましたが、その内容は蒼々たるものでしたよ。

ちょっと思い出すだけでも、ルパン三世、世界名作アニメ劇場、花の子ルンルン。キャンディキャンディ。男の子も女 の子も、どんなアニメでもみんなで見ましたし、その作者も男の漫画家先生が描いていたり、女の漫画家千世が描いて いたり、あまり区別というものはありませんでした。
僕たちはその中から、世界の国々を学び、日本の歴史を知り、花や木や鳥や獣たちの名前をひとつひとつ覚えていきま した。 それと同時に、私たちが生きているこの世界と思っている世界は、実は広大な宇宙のごく一部であり、海の彼方にある 外国はもちろんのこと、宇宙と他の星々、地底世界、四次元空間、過去と未来、空想の生き物たち、目に見えない霊魂 の世界、ふだんは気が付かない極小の世界。 これらを知ることで、僕たちは思いやりのある、優しい子供でいられたような気がします。

はまゆう山荘滞在中に、五冊くらいのドラえもんを読みましたが、その中でも印象に残ったのが、大長編ドラえもん (Vol.5) のび太の魔界大冒険 (てんとう虫コミックス)

「魔法が使えたら…」という少年少女であればだれでも夢見るその願いに、藤子不二雄先生は、真剣に答えています。

(かつて、人類は魔法を本当に一生懸命に研究した。魔法は科学の一部でもあったんだ。けれども、確実な科学の力が証 明の難しかった魔法の歴史を終わらせてしまったんだ)と。
のび太君は、ドラえもんの道具「もしもボックス」を使って、人間が科学でなく魔法を正史として選んだ場合の世界の もしもを願い、その世界を体験し始めます。 皆さん、空飛ぶじゅうたんがあちこちに浮遊している光景をちょっと想像してみてください。 楽しくなってきませんか(^o^)
夢千代

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